●キハ185系特急むろと

「特急うずしお」の大半が2000系となり、牟岐線乗り入れが不可能となったため、
「特急うずしお」を補完する形で登場した。全列車がキハ185系で運転されている。
また全列車が徳島発着かつ午後発の運転で、
運用の都合から特急剣山が牟岐線を直通して運転する列車もある。
ちなみに、室戸むろと岬に近い阿佐海岸鉄道甲浦かんのうら駅へ乗り入れる「特急むろと」はない。
この他、「ゆうゆうアンパンマンカー」を連結した「特急むろと」は運転されていない。
また、本線上で「特急むろと」同士のすれ違いは見ることはできない。

特急剣山と並び、ローカル色が非常に濃い列車であるが、
特急剣山よりも運転本数がさらに少なく、桑野以南では1日3往復のみの運転である。
普通列車さえ少ない牟岐むぎ海部かいふでは、普通列車として運転される。

2006年6月から、徳島〜阿南まで夕通勤時間帯に2往復4本が増発された。
臨時列車扱いであること、また阿南発着を考慮して、51号〜54号という特異な号数で設定された。

鈍足だと思われがち(実際は鈍足なのだが)であるが、徳島〜阿南あなんに関しては沿線の国道の渋滞もひどく、
徳島〜阿南間を30分以内で運転しているのは、それなりに魅力である。
(超短距離なので、本来は快速として運転するのがベストなのだが)

2008年3月からは、阿南発着として運転されている「むろと」51〜54号が、
特急「ホームエクスプレス阿南」として愛称が変更されることが決定した。
これにあわせて乗車率が低調だった「むろと」54号は廃止され、
翌朝の通勤時間帯に阿南→徳島間を運転することになった(牟岐線初の朝の通勤特急)。

08年3月以降、特急「むろと」はかつてのローカル特急に戻り、
51号〜54号が「むろと」としては廃止され、「むろと」の運転本数は減少する。


特急むろと
運転区間:徳島〜阿南・牟岐・海部
通常編成:2両



上り本数:(むろと3本、剣山2本)
下り本数:(むろと4本、剣山1本)

=キハ185系特急剣山号として牟岐線内を運転


過去の運転区間:徳島〜甲浦
▼小見出し▼
下り列車
上り列車
1号徳島→海部●2号海部→徳島●
3号徳島→海部●..
51号徳島→阿南◆52号阿南→徳島◆
53号徳島→阿南◆54号阿南→徳島◆
●印=一部普通区間を含む
◆印=毎日運転の臨時列車
剣山号として運転される列車
剣山4号池田→海部●剣山3号甲浦→池田●
..剣山9号海部→池田●
●印=一部普通区間を含む
池田=阿波池田



▲むろと号(徳島−阿波富田)
詳しいダイヤは時刻表を参照されたい。

特急むろと1号

特急むろと2・3・51・52・53・54号


運転図表




停車駅表


●印=停車、○印=指定日停車、−印=通過、●印=各駅停車



特急剣山3・4・9号の徳島線内停車駅はここを参照



●むろと1号見どころ

1号であるが、ほぼ夕方の発車。1号ではあるが、むろと2号からの折り返しである。
2両編成で、牟岐から海部までは各駅停車である。全車自由席車両。
折り返し列車が、剣山9号など通勤時間帯に運転されるため、折り返し駅での手間を省くため、
「むろと1号」から全車自由席として運転されているのである。

以前は、高松から直通の「特急うずしお号」として牟岐まで運転されていたが、系統分離された。
また一時期、発車時刻を2時間繰り上げて13時台に発車していたことがあるが、
近年、元のダイヤに戻されている。(これは岡山発着のうずしお号に接続させる試みだったようだ)

また長年桑野は通過していたが、最近になって停車するようになった。


むろと1号




●むろと2号見どころ

2両編成で、海部から牟岐までは各駅停車である。
以前は、甲浦発岡山行の「特急うずしお号」でありグリーン車も連結されていた。

うずしお号の牟岐線乗り入れ廃止後も
「剣山号」として甲浦発阿波池田行となって運転されていたこともあったが、
運用上の都合等であえなく短命に終わり、発車駅も甲浦から海部へと縮小されてしまった。

また長年桑野を通過していたが、近年停車するようになったほか、
夏期営業中に田井ノ浜駅に臨時停車していたが、通年通過となった。

特急むろと2号(海部にて)撮影:185ファンNo.3113様



特筆すべき項として、徳島到着後高徳線の線路を佐古寄りの1つめの踏切(花畑踏切)まで、
方向転換のために走行する。つまり、徳島〜佐古間で「むろと」を撮影できるのだ。
▲特急むろと2号の回送(徳島−佐古)



●むろと3号見どころ

2両編成で、牟岐から海部までは各駅停車である。ビジネス特急である。

途中駅で普通列車を待つ停車駅が4個(二軒屋・南小松島・由岐・牟岐)もある。
特に、二軒屋では運転停車してまで対向普通列車を待つ始末で、特急の威厳喪失も甚だしい。
鈍足ぶりはズバ抜けていて、特急区間の67.7qを約80分かけて走行している。
普通区間も含めると、79.3qを104分かけて走行している。

以前は、「特急うずしお号」として岡山からの直通で牟岐まで走行していた時期や、
「特急剣山号」として高知から直通で海部まで走行していたこともある。
(※旧うずしお19号参考ダイヤ−岡山16:48→高松17:49→徳島19:13→牟岐20:21)
↑全区間がグリーン車つきキハ185で運転されていたことを想像してみてください。なんかすごいでしょ?

阿波富田への停車は96年4月1日から上下各1本ずつが停車を行っている。
当時は、牟岐線〜岡山直通のうずしお号として停車していた。

現在は高松からの「うずしお号」から接続しており、バトンを受け継いで牟岐線海部まで走行する。


▲むろと3号とうずしお号(徳島)

近年、終点の海部から阿佐海岸鉄道甲浦への接続列車が整備された。
(以前運転されていたのだが、しばらく廃止されていた)

また長らく「むろと3号」は海部到着後、牟岐まで「回送列車」として運転されていたが、
これも近年になって「普通列車」として営業運転しながら牟岐まで運転されることになった。




●むろと51号見どころ
2両編成で徳島〜阿南を運転する超短距離の特急列車。
ビジネス利用が高い。臨時列車扱いで、列車番号は9000代。
徳島駅では、ホームがいっぱいのため3番線の阿波富田寄りから発車している。
ちなみに3番線佐古寄りには、後発の牟岐線普通列車が待機している。
高松からの「うずしお号」の接続をうけて走行している。

08年3月からは、特急「ホームエクスプレス阿南」1号として運行予定。


▲日中は徳島運転所の隅に留置されている「むろと51号」、夕方の出番を待つ




●むろと52号見どころ
2両編成で阿南〜徳島を運転する超短距離の特急列車。
51号の折り返し。臨時列車扱いで、列車番号は9000代。
阿南での折り返し時間は5分であり、遅延時はどうしているのだろうか。

08年3月からは、特急「ホームエクスプレス阿南」4号として運行予定。
(ホームエクスプレス阿南2号は朝の通勤時間帯に運行予定)



●むろと53号見どころ
2両編成で徳島〜阿南を運転する超短距離の特急列車。
ビジネス利用が高い。臨時列車扱いで、列車番号は9000代。
夕通勤時刻の普通列車が運転されていない時間帯に、特急列車を増発した。

08年3月からは、特急「ホームエクスプレス阿南」3号として運行予定。
また、徳島発が20:52と数十分ほど繰り下がって運転される予定である。


▲徳島駅留置線でしばし出発を待つ「むろと53号」




●むろと54号見どころ
2両編成で徳島〜阿南を運転する超短距離の特急列車。
53号の折り返し。臨時列車扱いで、列車番号は9000代。
最終の高松行「特急うずしお」(キハ185系で運転)に接続している。

しかし乗車率が芳しくなく、08年3月での廃止が決定した。



談話室

「特急むろと」は、一番変化に富まず、落ち着いたキハ185を撮影できる。

また特急むろとを見るたびに、JR九州のキハ185ワンマン特急が実用化しているだけに、
今後の特急むろともワンマン特急になるのではないかと頭をよぎるが、
四国運輸局が2両ワンマンを禁止しているらしいので、心配はないようだ。


さて特急むろとに関しては、提案というか妄想というか、そんなことをよく想像している。

特急むろと52号・53号は、板野発着に延長させて「特急うずしお52号・51号」としても良いと思う。
この際には、52号を阿波富田に停車させて、勝瑞・池谷・板野への帰宅需要も開拓したい。
思い切って鳴門発着にしてはとも思うが、鳴門きんときライナーの失敗もあるので実現しないだろう。

また特急むろと54号は、鴨島or阿波川島or穴吹に延長運転させて「特急剣山15号」とすべきだろう。
徳島線の深夜帯のホームライナー的存在として運転してもよさそうであるのだが、
この折り返しを考えると、当日中の夜間回送をしなければならないのがネックである。
しかし、「ウィークエンドエクスプレス高知」成功の前例があるのも考慮に入れたい。

また朝の特急充実も必要である。
そのためにベストな方法は、うずしお27号を阿南か牟岐まで延長運転させて、翌朝徳島行の通勤特急として
運転するのが一番だと思う。牟岐線の夜間帰宅需要+早朝通勤需要に応えている。

また、特急剣山2号を阿波富田まで1駅延長運転させて県庁等への需要に対応しても良いだろう。
これの折り返しは、普通または回送として徳島まで1駅運転させるだけで間に合う。

その他、特急剣山9号こそ阿波富田に停車すべきだとも考える。
せっかくの阿波池田行を夕通勤時間帯に通過させているとは如何なものかと思う。



●牟岐線のキハ185普通列車

詳しくは、
キハ185系牟岐線普通列車の項を参照。









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